
Midjourneyに動画生成AI機能が追加!
使い方・料金・他AIとの比較を徹底解説
はじめに
画像生成AIの王様として君臨してきたMidjourneyが、ついに動画生成の分野に参入しました。2025年6月にリリースされた動画生成機能「Video Generation V1」は、これまでの画像生成技術をベースとした革新的な動画制作ツールとして、クリエイターやマーケターの間で大きな話題となっています。
本記事では、Midjourneyの新しい動画生成機能について、その使い方から料金体系、他の動画生成AIとの比較まで、実際の活用事例を交えながら詳しく解説いたします。
Midjourney動画生成機能の概要
基本仕様
Midjourneyの動画生成機能は、従来の画像生成技術を発展させた形で実装されています。基本的な仕様は以下の通りです:
- 基本解像度:480p
- 動画時間:最初の生成で4秒、延長機能により最大21秒まで対応
- 生成パターン:1回あたり4つのバリエーションを同時生成
- 対応形式:MP4形式での出力
- SNS最適化:専用ダウンロードオプションで品質向上
主な特徴
Midjourneyの動画生成機能には、以下のような特徴があります:
高い一貫性:画像生成で培った技術により、オブジェクトの連続性や空間的な整合性が非常に優秀です。例えば、ヘリコプター内での窓の反射や、隠れた部分の自然な表現など、他の動画生成AIでは困難とされる表現も可能です。
多様なスタイル対応:アニメ調、リアル調、ドット絵風、スケッチ風など、画像生成で定評のある多彩な表現スタイルに対応しています。
延長機能:「Extend Auto」(自動延長)と「Extend Manual」(手動延長)の2つのモードで、動画を段階的に伸ばすことができます。
使い方・操作手順
基本的な動画生成手順
- 通常通りMidjourneyで画像を生成
- 生成された画像にマウスカーソルを合わせる
- 表示される「Animate」ボタンをクリック
- モーション設定(Low/High)とスピードを調整
- 4つのパターンが自動生成される
モーション設定の詳細
モーション設定では、以下の2つのレベルから選択できます:
- Low:安定性重視、穏やかな動きに特化
- High:ダイナミックな動き、激しいシーンも可能
延長機能の活用法
生成した動画は、2つの方法で延長することができます:
Extend Auto(自動延長):AIが自動的に動画の続きを生成します。最も手軽な方法で、初心者にも推奨されます。
Extend Manual(手動延長):プロンプトで延長内容を指定できます。例えば、最初のシーンを「Low」モーションで生成し、次のシーンを「High」モーションに変更するなど、より細かいコントロールが可能です。
料金体系とコストパフォーマンス
利用可能プラン
Midjourneyの動画生成機能は、以下の有料プランで利用できます:
プラン名 | 月額料金 | 同時生成数 | 生成モード | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Pro | 約9,000円 | 24本同時 | Fast + Relax無制限 | コストパフォーマンス重視 |
Mega | 約18,000円 | 120本同時 | Fast + Relax無制限 | 大量生成・法人向け |
注:無料プランは2024年から廃止されており、動画生成機能を利用するには有料プラン加入が必須です。
コストパフォーマンスの優位性
Midjourneyの動画生成機能は、料金面で非常に優秀な特徴を持っています:
同時大量生成:他の動画生成AIが1本ずつ生成するのに対し、Midjourneyは最大120本の動画を同時に生成できます。これにより、実質的な時間単価が大幅に削減されます。
Relaxモード:時間がかかっても無制限に生成できるモードがあり、大量の動画制作が必要な場合に重宝します。
高品質維持:480pという解像度ながら、元の画像品質が高いため、SNS投稿などの用途では十分な品質を確保できます。
保存オプションと品質最適化
3つのダウンロード形式
Midjourneyでは、用途に応じて3つの保存形式を選択できます:
Download for Social:SNSやYouTube投稿用に最適化された形式。ビットレートが約3倍に増強され、画質劣化を極力抑えます。最も推奨される保存方法です。
Download Raw Video:480pで生成された原本そのもの。編集や加工を前提とする場合に適しています。
Download GIF:X(旧Twitter)投稿に特化したループ動画形式。ミーム動画や短いループコンテンツに最適です。
他の動画生成AIとの比較
主要競合サービスとの詳細比較
サービス名 | 月額料金 | 強み | 弱み | 適用場面 |
---|---|---|---|---|
Midjourney | 9,000円〜 | 同時大量生成、アート品質、一貫性 | 初期費用が高め | SNS投稿、アート作品 |
Sora | 3,000円〜 | 最高品質、物理法則再現 | 生成回数制限 | 高品質映像制作 |
Runway | 1,920円〜 | プロ向け機能、多様性 | クレジット消費大 | プロ映像制作 |
Vidu | 1,500円〜 | 低価格、アニメ系得意 | 品質制限あり | 個人利用、実験 |
Midjourneyの競争優位性
比較検討の結果、Midjourneyは以下の点で独自の価値を提供しています:
圧倒的な生産性:同時生成機能により、他サービスの5倍以上の効率で動画制作が可能です。特に、大量のSNSコンテンツを必要とするマーケティング用途では、この差は決定的な優位性となります。
一貫性の高さ:画像生成で培った技術により、オブジェクトの連続性や空間的整合性が他サービスを上回ります。これは、ブランドイメージの統一や、シリーズ動画制作において重要な要素です。
多様なスタイル対応:アニメ調からリアル調まで、幅広い表現スタイルに対応しており、用途に応じた柔軟な動画制作が可能です。
実際の活用事例
SNSマーケティング分野
Instagram、TikTok、YouTubeショートなどのプラットフォーム向けコンテンツ制作において、Midjourneyの動画生成機能は特に威力を発揮します。従来は動画制作会社に外注していた作業を、社内で迅速に対応できるようになったという事例も報告されています。
教育・プレゼンテーション分野
静的な資料では表現が困難な概念やプロセスを、動画として可視化することで、より効果的な説明が可能になります。特に、抽象的な概念を具体的なビジュアルで表現する際に有効です。
クリエイティブ分野
アーティストやデザイナーが、アイデアの可視化やコンセプト動画の制作に活用するケースが増えています。従来の動画制作手法では時間とコストがかかりすぎる実験的な表現も、気軽に試すことができます。
今後の展望と課題
技術的改善の期待
現在の480p解像度は、一部の用途では制約となる場合があります。今後のアップデートでは、より高解像度での出力や、より長尺な動画生成への対応が期待されます。
市場への影響
Midjourneyの動画生成機能参入は、動画制作業界全体に大きな影響を与える可能性があります。
特に、短尺動画制作の分野では、従来の制作手法の見直しが必要になるかもしれません。
まとめ
Midjourneyの動画生成機能は、画像生成で培った技術力を活かした革新的なサービスです。
特に以下の点で、他サービスとの差別化を図っています:
- 同時大量生成による圧倒的な生産性
- 高い一貫性と品質の安定性
- 多様なスタイルへの対応力
- SNS投稿に最適化された出力形式
料金面では初期投資が必要ですが、大量の動画制作を前提とする場合、実質的なコストパフォーマンスは非常に優秀です。特に、マーケティング部門やクリエイティブ業界では、業務効率の大幅な改善が期待できます。
今後の技術進歩により、さらなる機能拡張や品質向上が見込まれるMidjourneyの動画生成機能。動画コンテンツ制作の新たなスタンダードとして、注目し続ける価値のあるサービスと言えるでしょう。
「画像生成の王様」から「動画生成の新星」へ。Midjourneyの挑戦は、AI技術の可能性をさらに広げる重要な一歩となっています。
※本記事の情報は2025年6月30日時点のものです。最新の情報については、Midjourney公式サイトをご確認ください。